★.:* ◌𓐍𓈒 LAST シンデレラ 𓈒𓐍◌ *:.★~挙式前夜に運命の出逢い~

 でも反論する気力もないほど、悲しみに支配され俯き膝上で拳を握る。

「ごめん。……結婚相手は、男としては見れるんだ」

「……余り覚えてないです」

 彼は、泣きそうな私にすぐに謝ると不機嫌そうな声を上げた。

 確かに先生よりは見れそうだけど……。

「どんな奴?」

「……小さな写真だけですが、真面目で知的でクールな感じです」

「はぁっ!? 写真だけ? ……超ヤバい件に首突っ込んでない? 知人って?」

 彼は、超度肝を抜かれた顔で驚愕の声を出しとても心配そうに聞いてきた。

「大丈夫です。一応……義姉だし。……私達父親が一緒みたいで。結婚は、父が勝手に決めた話で義姉も一度は承諾したけど、やっぱ無理と父に言ったら大激怒。それで私が代わりに式に出たら半分、婚姻届出せたら全額返済してくれる約束したんです」

「……結、父親生きてるの? なら父親に頼めば……」

 彼は、実に呆気に取られた顔でそう言った。

「あの人に頼るのだけは嫌! 絶対に……。彼女は、約2か月前、偶然父親の生命保険の受け取り人が私の母と知り、初めて私達の存在を知って訪ねて来ました。私も初めて母が愛人だったと知り、父親のことを頑なに口閉ざしてた理由がわかり愕然としました。何より私のこと知りながら一度も会いに来ようとせず全てお金で解決しようとする人に……」