★.:* ◌𓐍𓈒 LAST シンデレラ 𓈒𓐍◌ *:.★~挙式前夜に運命の出逢い~

「はいはい、お姫様。その前に少しは食べなさい。酔っ払い相手は得意じゃない」

 諦めたように笑い、ルジェストストロベリー・コラーダというカクテルを頼んでくれた。

 カリブ海生まれのカクテルで、ココナッツの味わいとパイナップル&チェリーのデコレーションが、南国気分にさせてくれるそう。

 数分後、ピンクで可愛いカクテルに満面の笑みになる。

「可愛い~! お酒詳しいんですね」

「好きだからね。学生時代バイトしてたし。今も家にシェイカーある」

 バーテンダー瀧君……素敵! きっと女子は、お酒以上に彼に酔いしれるんじゃない?

 からかうと余裕の表情でニヤッとしてみせた。

「否定はしない」

「……で、お持ち帰りし放題ですか?」

「ご想像にお任せします」

 ……絶対してる。セフレで十分って言ってたし。

 ジロり見上げると余裕の笑みで両腕を背もたれに伸ばした。

 ……私は、絶対セフレなんて無理。大人の関係なんて割り切れない。それなのに明日の晩に知らない人と……? はぁ……やっとふわふわ気持ち良くなってきたのに……。

「瀧君のスケベ!」

 私は、最悪の気分を払拭したくてピンクカクテルを一気に飲み干した。