★.:* ◌𓐍𓈒 LAST シンデレラ 𓈒𓐍◌ *:.★~挙式前夜に運命の出逢い~

「確か貧乏で耐えまくる昭和ドラマですよね? 絶対嫌ですが、否定できないのが悲しい」

 『我慢は美徳』が、信念の母が好きだったドラマで時々話してくれていた。

 でも結婚相手は、日本を代表する老舗ジュエリーブランドの跡継ぎで、お金の心配からは解放されるのか唯一の救い。

「せっかくの晩餐。もっと楽しい話……瀧君の武勇伝でもお聞かせ下さい」

「武勇伝……思い当たらないな。俺、そっち系じゃないし。ただ文武両道で一流大学首席卒業。結構モテたし表面上は順風満帆に見えてたろうな。今も副社長だし」

 サラッと自慢しても嫌味でなく納得してしまうのが羨ましい。

「結構? 謙遜してません? 一番のモテ期は?」

「幼稚園の年長。チョコを組全員の女の子からもらった。満場一致で星の王子様にも選ばれたな」

超ドヤ顔したと思ったら、見事なオチに爆笑してしまい慌てて身を固めた。

「で、結ちゃんは? 癒し系な感じでモテるだろ?」

「残念ながらドヤ顔ネタは全くです。……おかわり! もっと強いの飲んでみたいです。もちろん甘くて美味しいの」