彼は、新たなカクテルが届くと、飾りのキウイを私の口元に運んでくれた。
照れながらも素直に口にすると、初恋のような甘酸っぱさが口中に広がり幸せな気分になる。
「三葉さ、癖になってるだろ? ……作り笑い」
「……」
初めて見破られたのを驚く以上に初めて気づかれたのが嬉しくて、不覚にも涙が滴り落ちた。
「……何でもないです。すみません」
「……ずっとずっと独りで頑張って来たんだな」
彼は、私の頭を撫でてから優しく肩を抱き寄せてくれた。そのあたたかな温もりにますます泣きたい気分になり、鼻をつまみ必死に我慢する私を何度も何度も撫でてくれた。
「今夜は、オジさんがとことん甘えさせてやる。好きなだけ食って飲んで何でも買ってやる。ブランド品でも何でもさ」
「……もう閉店時刻って知って言ってますよね? それにオジさんなんて……。瀧君は、30代半ばくらいですか?」
「……君呼びなんて久しぶり、超新鮮」
君呼びに苦笑いしながら次は苺を食べさせてくれた。
「 三葉といると何か若返る気分。俺は、46」
「えっ!? 全然見えないです」
「良く言われる。 ……三葉は、同期の娘と同い歳。……俺にこの歳の娘がいても不思議じゃないんだな……衝撃」
照れながらも素直に口にすると、初恋のような甘酸っぱさが口中に広がり幸せな気分になる。
「三葉さ、癖になってるだろ? ……作り笑い」
「……」
初めて見破られたのを驚く以上に初めて気づかれたのが嬉しくて、不覚にも涙が滴り落ちた。
「……何でもないです。すみません」
「……ずっとずっと独りで頑張って来たんだな」
彼は、私の頭を撫でてから優しく肩を抱き寄せてくれた。そのあたたかな温もりにますます泣きたい気分になり、鼻をつまみ必死に我慢する私を何度も何度も撫でてくれた。
「今夜は、オジさんがとことん甘えさせてやる。好きなだけ食って飲んで何でも買ってやる。ブランド品でも何でもさ」
「……もう閉店時刻って知って言ってますよね? それにオジさんなんて……。瀧君は、30代半ばくらいですか?」
「……君呼びなんて久しぶり、超新鮮」
君呼びに苦笑いしながら次は苺を食べさせてくれた。
「 三葉といると何か若返る気分。俺は、46」
「えっ!? 全然見えないです」
「良く言われる。 ……三葉は、同期の娘と同い歳。……俺にこの歳の娘がいても不思議じゃないんだな……衝撃」


