★.:* ◌𓐍𓈒 LAST シンデレラ 𓈒𓐍◌ *:.★~挙式前夜に運命の出逢い~

「……美味しい! お酒ってこんなに美味しいんですね」

「そりゃ良かった。期間限定で地球をイメージしたカクテル。俺のは、天空の蒼さをイメージした物」

 彼は、嬉しそうにブルーのグラデーションがとても美しいカクテルを手に取り、私のグラスに軽く当てた。

「独身最後の晩餐に乾杯!」

「あ、ごめんなさい。先に飲んだりして」

「全然いいけど、空きっ腹は酔いが早く回るから食べながらね。ここのローストビーフは、絶品だよ」

 ローストビーフ……滅多に食べられない贅沢品である。でも宣言通り珍しく飲みたい気分の私は、スルーして一気にグラスを空にした。

「おかわり! 食べたら飲めなくなります」

彼は、小さな溜息漏らして苦笑いを見せた。

「いいから先に食べろ。今夜は、とことん付き合う……明日は、午前? 午後?」

「トワイライ……明日の話封印です。……フルーツ食べよ」

 しまった! あの人に『極秘ミッションね』と念押しされてるのについ……。まずバレるはずないけど、これ以上ポロリ厳禁!

「トワイライトか ……」

「だから禁止! お酒が不味くなります! 他にお勧めの物は? 甘くて美味しいのお願いします」

"仕方ないな……"という笑みを浮かべオーダーする彼との時間が楽しい分、寂しさはつのるが、いつものように唇に弧を描きその想いを払拭させた。