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彼が再び発った日から最終期限だと言っていた一カ月が過ぎたけれど、まだ何の連絡もない。
ネットニュースでは、ますます激しくなっていく紛争の様子が画像で映し出されていた。
彼の撮影したものだろうか。
この惨状に向かって彼は必死にカメラを構えている。自分もいつ巻き込まれるかわからない危険な状況で。
そして、いつの間にか三カ月、四カ月が過ぎていった。
多少、戻りが遅くなるにしたって、いくらなんでも遅すぎる。
戻ったらすぐに連絡をすると言っていたのに。
さすがに私の気持ちは落ち着かなくなっていった。
そんな中、日和ネットワークの岬さんから事務所に電話が入る。
『岬だけれど、森村さん?』
岬さんの声に鼓動が激しくなっていく。
「はい、森村です。ご無沙汰しています。あの……柳江さんは今どうされてますか?」
『それがね……状況がまだはっきりしない部分もあるんだが、Y国にルポに行ってから連絡が途絶えてしまってね。何か起こったのは間違いないと思い必死に情報網を駆使して探したら、彼らが負傷して現地で動けなくなったらしいということだけがわかったんだ』
え?
思わず息が止まる。
『三人いる誰が負傷したのか、負傷の程度、治療ができているのかもわからない。Y国から脱出できていればいいんだか。その様子じゃ、森村さんの方には彼からはまだ何も連絡は入ってなさそうだな』
岬さんの声が一気に沈み、深いため息が聞こえた。
「でも、ネットニュースにはまだ彼の画像が出ていますよね?あれは、柳江さんの撮影したものじゃ?」
必死に希望の光を見出そうとする。
『あれは、第二陣、三陣で向かったメンバーの画像なんだ。基本、危険度の高い地域には長くても滞在は一カ月と決めているからね』
「彼が負傷したんですか?」
『いや、それもはっきりしない。とにかく、こちらも彼らの安全確保を第一に動いているから、何かわかったらまたすぐに連絡する。申し訳ないが、もう少し待っていてくれ』
「……はい」
なんとか声を絞り出した。
もう少し待ってて……
私はどれだけ待てばいいんだろう。
彼は必ず帰ると言っていたのに。私が待っている限り、帰ってくるって。
彼が再び発った日から最終期限だと言っていた一カ月が過ぎたけれど、まだ何の連絡もない。
ネットニュースでは、ますます激しくなっていく紛争の様子が画像で映し出されていた。
彼の撮影したものだろうか。
この惨状に向かって彼は必死にカメラを構えている。自分もいつ巻き込まれるかわからない危険な状況で。
そして、いつの間にか三カ月、四カ月が過ぎていった。
多少、戻りが遅くなるにしたって、いくらなんでも遅すぎる。
戻ったらすぐに連絡をすると言っていたのに。
さすがに私の気持ちは落ち着かなくなっていった。
そんな中、日和ネットワークの岬さんから事務所に電話が入る。
『岬だけれど、森村さん?』
岬さんの声に鼓動が激しくなっていく。
「はい、森村です。ご無沙汰しています。あの……柳江さんは今どうされてますか?」
『それがね……状況がまだはっきりしない部分もあるんだが、Y国にルポに行ってから連絡が途絶えてしまってね。何か起こったのは間違いないと思い必死に情報網を駆使して探したら、彼らが負傷して現地で動けなくなったらしいということだけがわかったんだ』
え?
思わず息が止まる。
『三人いる誰が負傷したのか、負傷の程度、治療ができているのかもわからない。Y国から脱出できていればいいんだか。その様子じゃ、森村さんの方には彼からはまだ何も連絡は入ってなさそうだな』
岬さんの声が一気に沈み、深いため息が聞こえた。
「でも、ネットニュースにはまだ彼の画像が出ていますよね?あれは、柳江さんの撮影したものじゃ?」
必死に希望の光を見出そうとする。
『あれは、第二陣、三陣で向かったメンバーの画像なんだ。基本、危険度の高い地域には長くても滞在は一カ月と決めているからね』
「彼が負傷したんですか?」
『いや、それもはっきりしない。とにかく、こちらも彼らの安全確保を第一に動いているから、何かわかったらまたすぐに連絡する。申し訳ないが、もう少し待っていてくれ』
「……はい」
なんとか声を絞り出した。
もう少し待ってて……
私はどれだけ待てばいいんだろう。
彼は必ず帰ると言っていたのに。私が待っている限り、帰ってくるって。



