✧*。最愛✧*。



ーーー
ーー


「待って、皆!行かないで……待って、雪夜ッ」



母親はもちろん、美沙希や涼介、そして雪夜が私の前からいなくなって、本当に一人になってしまった



寂しくて…心細くて…露頭に迷う私に手を差し伸べたのは、母親を連れて行ったあのヤクザ




その手を取ると、私を暗い牢獄みたいな部屋に閉じ込め、逃げ出す事が出来なくなった




ハッと目が覚め、勢いよく体を起こして周りを見渡す



ーーー夢、か…




「……大丈夫か?魘(うな)されていたけど。怖い夢でも見たか?」



後ろから声がして振り返ると、別々に寝たはずの雪夜がベッドに横になったまま私を見ていた



「え?な、何で…?ぅわっ」



慌てて距離を取るとズルッとベッドから落ちる体



その瞬間、私の腰に腕を回した雪夜は 引き寄せるように抱きしめた



「あ…ぶねぇ」



耳元で囁くように言う



カァッと体温が上昇して顔に熱が篭(こ)もる



ホッとしたのか抱きしめたまま、コテンと私の肩に頭を乗せた