✧*。最愛✧*。



空になった瓶には、マジックで『雪夜、大好き♡乃愛』の文字



その日から雪夜は ずっとこの香水を使い続けてくれている



「捨てればいいのに……」



そう言って空の瓶を手に取り、文字を指先で擦(なぞ)る



「捨てないよ。何一つ」



いつの間にか部屋に戻って来た雪夜が、私の手から瓶を取り、それを憂いを帯びた瞳で見つめた




「ここにある物は…何故か捨てれないんだ。……いや、捨てたくないのかもしれない。俺にとっては大切な物だと感じるから…」




今日…ここに来て良かった



心にポッカリ空いた穴が少し満たされたような気がした





「さ…寝よ。ベッドは使っていいから。俺はソファーで寝るし」



壁時計を見ると3時になっていた



寝る支度をしてベッドに入って目を閉じた