雪夜は何も聞かず私の隣に立ち、泣き止むのを待っていてくれた 「落ち着いたか?」 心配そうに私の顔を覗き込み、泣きやんだのを確認するとポケットから手を出して、私の頭にぽんっと乗せた 「じゃ、帰るか」 「………」 何も言わずに佇(たたず)む私を見て手を差し出した 「俺ん家……来る?」 その言葉に小さく頷いた 私からスクーターの鍵を受け取った雪夜は、私を後ろに乗せてアパートへ向かった