「そんな…ッ」
……雪夜
私は手術室の扉に目を向けた
すると丁度 手術中のライトが消え、中から先生が出てきた
私と美沙希は、長椅子から立ち上がり先生の元へ駆け寄った
「あの…中の二人は、どうなりましたか?無事ですか?」
「君達は、あの二人の…彼女かな?」
「はい。あの……先生、トレッドヘアの人の容体は?」
美沙希は不安な色を隠せず先生に問い詰める
「あぁ、その子は 左足骨折と打撲だよ。頭も軽く打ってるから、ちょっとした脳震盪(のうしんとう)が出たみたいだが大丈夫。すぐに目が覚めるよ」
美沙希は それを聞いて安心したのか、その場に崩れるように座り込み泣き出した
「黒髪に金髪のメッシュの子は左腕の骨折に打撲…それと頭を強く打っててね、目が覚めるかどうか分からない状況なんだ」
「……え?」
ホッとしたのも束の間、一気に目の前が暗くなる
手術室からベッドに乗った雪夜と涼介が出てきて、病室へと運ばれて行く
私達は先生にお礼を言い、その後を追いかけた
錦先輩は、その場から動かず佇んでいた



