「クローゼットの中にあったんだ」 「……いいの?」 少し困った顔で笑う雪夜 「うん。お前のだから…。ほら、乗りなよ」 私は今、どんな顔をしているんだろう…… 複雑な気持ちのままヘルメットを被り、雪夜の後ろに乗った 雪夜のお腹に腕を回すと、懐かしく感じる背中 細いのに、ガッチリした雪夜の背中に頬を寄せた バイクは少しずつスピードを上げていく 暫くすると風に乗って潮の香りがしてきた 海はもうすぐだ