✧*。最愛✧*。



ーーーブォン



スピードを落とした2台のバイクは私達の前で停まった




「待たせたな。ほら、メット被れ」




涼介はポンとヘルメットを美沙希に投げるように渡す



その様子をジッて見ていると、いつの間にかバイクから降りた雪夜が私の前に立った



雪夜の右手の薬指には、もう指輪はなかった



自分から言い出した事だけど、やっぱり苦しい



下を向いていた私の視界にヘルメットが映る




「このヘルメット……私の…」




そう…


これは雪夜と一緒に買いに行った私専用のヘルメット



サイドには『乃愛』とマジックで書いていた