✧*。最愛✧*。



「ここまで来れば もう大丈夫だろ」



はぁ…とため息をつき、バイクに凭れる涼介に美沙希は抱きついた



「涼介、ありがと」



ポンッと美沙希の頭に手を置くと、その顔を覗き込む



「俺らが たまたまいたから良かったものの、いなかったらどうするつもりだったんだ?」




「でも、涼介が助けてくれたじゃん。愛の力だね。ふふッ」



どうやら結果オーライのようだ




微笑ましく2人のやり取りを見ていると、ふと我に返り手元に視線を落とした



雪夜と手を繋いだままだ



パッと手を離して、顔も見らずに 慌ててお礼を言う



「ご、ごめん…あと、助けてくれて、ありがとう」




この前の事があって気まずい



ジリッと距離を取り、美沙希に声をかける



「み、美沙希、涼介。私このまま帰るから。またね」



早く その場を離れたかった



実際こうして本人を目の前にすると顔すら まともに見れない自分がいる



『気まずい』…っと言うよりも『怖い』のかもしれない



もう一度、拒まれたらどうしよう



そんな思いが私を支配している




美沙希が何か言っていたけど、気付いたら走りだしていた