ピー、ピピー
そこへ騒動を聞き付けた数人の警備員が笛を吹きながら、走って来るのが見えた
「……クソッ」
拘束していた男が力任せにドンと押し、その勢いで視界がグラリと回転する
「ぅわっ」
ーーー倒れる…
咄嗟に目を瞑り、衝撃に備えたけれど思ったより痛くない
ゆっくり目を開けて見ると、床ではなく雪夜の胸の中
美沙希も涼介が抱き止めていた
ホッと息をついたのも束の間、グイッと手を引っ張られ 何故かそのままダッシュする
後ろを振り返ると倒れて動けない4人の男達は警備員に捕まり、拘束していた男は人混みに紛れて逃げたようだった
「前を向いて走れ」
そう言われて、前を向きなおり走った
ショッピングモールから出て駐車場へと向かった



