✧*。最愛✧*。


トレーの中にあるのはシルバーのリングが二つ



そのシルバーのペアリングは、二つを重ねると一つのデザインになるタイプの物で 小さなブルーダイヤモンドが それぞれ一粒ずつ埋め込まれている




「わぁ…。これ、可愛い」



「じゃあ、これにします」



玲央は私の反応を見るなり 商品も、値段も よく見ずに決めてしまった



「ち、ちょっと!待って」



「どうした?」



店員さんの前で あからさまに金額の話しをする訳にはいかなくて、目で訴える



「あぁ…、だから心配すんなって。これ、気に入ったんだろ?」



確かに、他のペアリングより惹かれる



だからって…この値段



視線を落とし、再びペアリングを見ると私の視界からペアリングが消えた




「これを、お願いします。あと、ネーム入れをしたいんですけど」



「はい、畏まりました。では、こちらの紙に名前を記入して下さい」





「れ…玲央」



こんな高い物を買ったりして、本当にいいのだろうか…



私の不安は他所に話しは、どんどん進んでいく