その言葉にハッとして顔を上げると、悲しげに揺れる瞳がそこにあった
「違うッ!雪夜の事は…もぅ、吹っ切れた……それは本当。だけど……」
「だけど?」
玲央は、ただ黙って次の言葉を待っている
玲央は…こんな気持ちがコロコロ変わるような、軽い女のどこがいいんだろう
「この前まで…雪夜が好きだったのに……」
視線を落とし、ギュッと掌を握り締める
「気が付くと…私の中で 玲央の存在が大きくなっていて。でも、それって雪夜が駄目なら玲央に…って、そんな都合がいいように思えて。それが自分の中で許されなくて…何て言ったらいいか……」
自分で何を言ってるのか分からなくなって、いつの間にかポロポロと流れる涙
何で泣いてんだろ、私
玲央の長くて綺麗な指が、そっと涙を拭う
「乃愛…俺の事、嫌い?」
そう聞かれて、首を横に振った