「よう。雪夜、調子はどうだ?……ん?お前ら何かあった?」
涼介がただならぬ雰囲気を読み取り交互に顔を見る
「乃愛?どうしたの?」
駆けつけた美沙希に体を支えられ立ち上がると雪夜の冷たい視線と絡まったけれど、すぐに視線は外された
「涼介、お前 明日退院だろ?いいよなぁ…俺も退院してぇ」
「何?寂しくなっちゃった?いいじゃねえの、お前には愛してやまない乃愛がいるんだからよ。お前が眠っていた2ヶ月間、1日も休まず来てくれてたんだぜ?感謝しろ」
そんな会話が耳に入ってきてビクッと体が反応した
「乃愛?あんた、おかしいよ?どうしたの?」
俯いた顔を覗き込んでくる美沙希を振り払うように病室を飛び出した
はぁ、はぁ…
スクーターに鍵を差し込みエンジンをかけた時、勢いで病院を出てきたせいで財布と携帯を置いてきた事に気が付いた
だけど…今 取りに戻る勇気がない
エンジンをかけたまま俯いていると視界がボヤけて地面に水玉模様が描かれていく
スクーターに乗り、ゆっくりとスピードを上げていく



