「大丈夫か?悪かった、遅くなって」
ようやく落ち着いてきて息を整える
「何で、玲央が謝るの?玲央のお陰で助かったのに」
玲央は私の頭を撫でながら、後ろに立っている雪夜に視線を向けた
「お前が女に手をあげるなんてな。しかも、こいつに。以前のお前からしたら考えられねぇ行動だぞ。こいつの記憶無くして、性格まで変わったのか?……それとも、鈴って言う女によって変わったか?」
「そいつが鈴に何をしたか知らねぇくせして、何でお前からそんな事言われなきゃならねぇんだよ!!」
玲央は私を支えながら立ち上げると、庇うように前に出た
「その女が雪夜に何を言ったのか知らねぇけど、乃愛は責められる事はしてねえぞ!!」
「は?玲央、お前 俺が嘘ついてるって言いたいのか?」
「さぁな。例え お前が嘘を言ってないとしても、事実じゃない事を信じてるなら同じ事だろ。その女に本当の事を聞いてみるんだな」
そう吐き捨てるように言った玲央は、私の手を取ると そのままアパートを後にした



