「そんな事があったんですね。私、何も知らなくて…色々言っちゃってごめんなさい」
「美央が謝る事じゃないよ。話してなかった私が悪いから。気にしないで」
他人の事なのに まるで自分の事のように暗く沈んだ顔をする彼女は本当に優しい
数日後
「乃愛、学校から電話だぞ」
電話に出ると担任の先生で、全科目 合格だと教えてもらった
その後、少しだけ会話をして 3学期からはちゃんと学校に来るようにと釘を差された
「テストの結果は どうだった?」
「全科目、合格だった」
「そうか、良かったな」
『若』は、私の頭をポンと軽く叩き微笑むと踵を返して部屋へと戻って行く
「待って!」
咄嗟に『若』の腕を掴むと、彼は驚いたように振り返って私を覗き込んだ
「どうした?」
「あの、私…。そろそろ家に帰ろうかと思って…」
このまま ここに居る訳にはいかない



