✧*。最愛✧*。




造花の青い薔薇を一輪、花瓶に入れる



パイプ椅子に座り、雪夜の手を握った




「雪夜、もう夏だよ?いつまでも寝てないで早く起きなきゃ。海に、花火に、バーベキューに…やる事 沢山だよ?」



すっかり綺麗になった顔を見つめながら、そっと頬に触れる



………少し痩せたね



「さて、マッサージしようか」



いつものようにマッサージしようと立ち上がるとピクンッと手が動いた



ハッとして雪夜を覗き込むと、顔を歪めたあと薄っすらと瞼(まぶた)が開いた



「雪夜!?」



薄く開いた瞳は、ボーッと天井を見つめている



慌ててコールボタンを押す



「雪夜!わかる?乃愛だよ、雪夜」



声をかけて、反応を見ていると 雪夜の真っ黒な瞳が揺らいだ



するとガラッと扉を開け看護師さんが入って来ると、先生を呼びに踵(きびす)を返して病室を出て行った