玖賀家に帰る途中、玲央にお願いして私の家に寄ってもらった
家に上がり 真っ直ぐ自分の部屋に入ると、以前 雪夜から受け取った紙袋は そのままの状態でそこにあった
それを無視して引き出しを開け、少し黄ばんだ封筒を手に取って部屋から出る
「他に持って行くのはないのか?」
「…うん」
鍵を掛けた後、再び玲央の後ろに乗って玖賀家へと向かった
すっかり日が落ちてしまった空を、部屋の窓から見上げてると、玲央が後ろから抱きしめる
「乃愛…大丈夫か?」
「…ん」
私は玲央の腕に手を添えた
「雪夜は…もう私が知ってる雪夜じゃない…きっと涼介も美沙希も……会うのが、怖い」
私は玲央の胸に顔を埋めた



