封筒をバッグに入れ、顔を上げると 玲央の胸ぐらを掴んだ雪夜がいた




私に気付いた玲央は、何もないような態度で雪夜の腕を振り払う



「終わったか?」



「う…、うん」



私は どういう状況かついていけず目を白黒させてると雪夜が私の所までやって来た


躊躇(ためら)うように 私の腕を掴んだ雪夜は怪訝(けげん)な表情をしている




「乃愛…。お前、一体 今まで何処にいたんだよ!?電話も繋がらないし…学校にも来てないって美沙希が心配してたのに。それに何で玲央と一緒にいるんだよ」



美沙希や涼介からは、まだ電話やメッセージが入ってくるけど、私は それを気付かない振りをしていた




チラッと玲央を流し目で見て、問い質(ただ)すように言う雪夜には、いつもの冷静さはない



「何で…って…関係ないでしょ?」



何で私が 攻められなきゃいけないの?
心配してたって…その原因を作ったのは雪夜達なのに




「関係ないって…待てよ。何で そんな簡単に切り捨てられるんだ?美沙希が どれだけ心配してたって思ってるんだよ!!」



ーーー雪夜は気付いているのかな……心配してるのは『美沙希』なんだね