『若』が何で私の事を気に掛けるのか…それが分かった時、あの夏の日に植え付けられた恐怖心が不思議と消えていった




その後、『若』は私を養(やしな)うと言って引かず、強引に話しは進み 結果お世話になる事になった



姉が死んだのは『若』のせいじゃない…と何回も言ったけれど、『原因は自分にある』と…彼は今でも自分を責めている



姉を死なせた罪悪感から言ってくれたとしても、それで『若』の心が少しでも軽くなれば…、少しでも罪悪感が消えてくれたら…それもいいか、と思えた




後日、バイト先に電話を入れ無断欠勤していた事を まず謝り、バイトを辞める事を伝えた



そして学校は既に『若』が連絡を入れていたらしく、美央曰く 休んだ理由は「緊急入院」となっているらしい




「今からバイトの制服を返しに行こうと思うの」



縁側に座って 温かいコーヒーを飲みながら、隣に座っている玲央を見た



「だったら俺も付いて行く。足がないだろ?」




お言葉に甘えて玲央のバイクの後ろに乗せてもらった



玲央には駐輪場で待っててもらっている