目を瞑ると雪夜の顔がチラついた
こんな事になって苛立ちさえ感じるのに、まだ好きだなんて…参ったな
私って こんなにも雪夜に依存してたんだ…
矛盾した気持ちで見上げる空には、私と違って綺麗な星々が瞬(またた)いていた
隣に立った玲央は私と同じように空を見上げる
その横顔が あまりにも綺麗で思わず見惚れてしまってると玲央の茶色がかった双眼と視線が絡まった
「お前さ…雪夜とは終わったって言ってたけど、全然 終われてねぇじゃん」
「…え?」
その言葉が的をついてて、ドクンと心臓が嫌な音を立てる
玲央は、私の顔に手を伸ばして 頬に優しく触(ふ)れた
「そんな顔して、どれだけ気持ち抑えてんだよ。何でもかんでも一人で抱え込むな」
そう言った玲央は、私の腕を掴み 引き寄せると優しく包み込んで私の耳元で囁いた
「泣けよ…俺が受け止めてやっから」
冷たくなっていた心が、じんわり温かくなって いつの間にかポロポロと溢(こぼ)れ落ちる涙…
私は自然と口にしていた



