後ろから聞こえてくる美沙希の泣き声 私の為に怒ってくれて、泣いてくれて…本当に 「ありがとう。ねぇ、美沙希 このまま海行かない?」 振り返って美沙希の泣き顔を除き込むと大きな瞳が揺らいでいる 「付き合ってよ」 コクンと頷いたのを確認して私達は駅へと向かった ザザーン 心地よく耳に届く波の音 あの夏の日に花火をした砂浜に腰を下ろして、夕焼けの空を見ていた 季節は変わったけど、あの日と同じように ゆっくりと海へ沈んでいく太陽を二人で会話もないまま眺めている