「多嘉。」



「…ん?あ、センセー。」



「こんなとこでひとりで寝てるなんて、いい度胸だな。今日卒業式だぞ。」



「あはは。寝るの好きなんよね」



「そういえば入学式ん時もサボって寝てたな」



「おぉ、いらんことをよく覚えてんね」



「お前あの時俺に、なんて言ったか覚えてるか?」



「んーなんだっけ?」



「うっせー死ねクソ眼鏡」



「あは!かわいいな〜私。ばり反抗期じゃん。」



「あれな……効いたわ」



「効いたんかい」



「帰ってから布団にくるまって泣いたわ」



「かわいいかよ」



「…この三年間、多嘉の問題児っぷりには随分困らされた。」



「え、なになに、悪口言いにきたの?」



「何回言っても金髪直さねーし、平気で遅刻してくるわ、当たり前に制服着崩してゴリゴリにネイルするわピアスあけまくるわ……多嘉のせいで胃薬が手放せなかった。」



「てひ。悪かったって。ごめんちゃーい」