期末テストを無事に乗り越え、今日はテスト返却日。


「盾石」

「はいっ!」

「……よく頑張ったな…っ!」


先生はとても感動しています…!と言いながら答案用紙を渡される。


「俺の授業や他の先生の授業でも赤点をよく取っていたあの盾石が……くっ…!!」


今にも泣きそうな表情をする先生を差し置いて、私はももちゃんの所へ向かった。


「ももちゃん!数学のテスト75点だった!」

「すごいじゃん。まさか、テストで柚奈が平均点以上の結果を出すなんてね。あたしもびっくりだわ」


期末テストまで、色々なことがあった。


「うぉっ!?つるちゃん98点!?あと1点間違ってなかったら満点じゃん!!」


矛杉くんのよく通る声が教室全体に響く。

振り向くと、剣城くんを中心に、クラスメイトたちがぞろぞろ教卓周りに集まっている。


「相変わらず、剣城はすごいね…」


頬杖をついて、感心するももちゃんに「…そうだね」と答えた。


いつも通りの様子の彼を見て、ムッと不満げな表情を浮かべる。


おのれ、剣城くん。
お主が私にキスをしたこと、忘れておらぬぞ…。