「盾石、俺があげた押し花、大切に持ってくれてた…」


嬉しいあまりに感情が高ぶって、何とか理性と戦いながら、

『──…さっき勉強してた時、俺に触られたとこ思い出してただろ』

手が出そうになるのを堪えて、ついつい、意地悪なことを口走ってしまう。


『距離が近くなる度にビクビクして…そんなに良かった?』


図星を突かれた盾石は、


『い、いじわる、しないで……』


柔らかくて、白い肌が一気に赤く染まる。

恥ずかしさからなのか、涙目になって精一杯反論してきたが、俺にとっては逆効果だ。

そんな可愛い顔されたら、上手く制御ができなくなって───…咄嗟にキスをしてしまった。



「ゆずなもさ、まだ記憶を取り戻してはいないけど、きっと、あやとに貰ったクローバーのしおりは、自分でも何か気づき始めてるんじゃないかって、思ってる」



双子だからわかるんだ、と柚希は小さく笑ってそう言った。