「きゅ、急に何!?…ってゆーか、十分伝わったって言ったはずだよ…!」


『好き』も何度も聞いたし、何度も言ってくれた。

お腹いっぱいになるくらい押してくる告白に、私の盾じゃ防ぎきれない程、伝えてくれた。



「……俺はまだ伝え足りない」



剣城くんが距離を詰めてきて、そっと私の頬に手を添える。


「…どうしたら意識してくれる?どうやったら男として見てくれる?」


じっと、私を見据える瞳から逸らすことができない。

何て答えればいいのか、一生懸命頭を働かせ、言葉を探していると、フッと、笑みをこぼす声が聞こえた。


「…ごめん、困らせちゃったな」

「……っ」

「そんな顔すんなよ、押し倒したくなるじゃん」

「…っ!? お、押し…っ!?」


突拍子もないことを言い出し、警戒心が発動する。


「……そういえば盾石、さっき勉強してた時、俺に触られたとこ思い出してただろ」


剣城くんの大きな手が私の髪に触れる。

そしてそれをそっと耳にかけ、彼の瞳が私を捉えた。


「距離が近くなる度にビクビクして……そんなに良かった?」

「なっ…違っ──」

「…わかりやすすぎんだよ」