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「すっげー!あやと教えるのめっちゃ上手いな〜!!」
夕飯を済ませた後、私たちは今、柚希の部屋で机を囲み、剣城くんに勉強を教えてもらっている最中だった。
どうして私まで…と思いながら、苦手な科目・数学の問題集に取り組む。
「盾石もわからないとこある?」
「っ!? はっ、はいっ……」
風呂上がりなのか、いつもより色気がある剣城くんを前に、少し緊張して、敬語になってしまう。
「どこがわかんない?」
「…っ!?」
剣城くんが問題集を覗き込んで、聞いてきたため、距離がぐっと近くなる。
その拍子に彼の髪から私たちと同じシャンプーの香りがして、心臓がドギマギと、早鐘を打っていく。
先程のことがあってなのか、剣城くんの手や唇が無意識に目に入ってしまう。
剣城くんに触れられた部分がまだじんわりと熱いような気がして、落ち着かない。
まず、男の人に自分の体をあちこち触られることなんて、そもそもないもん。
あ、あんな…あんなやらしい手つきで剣城くんは……っ!!
ぐるぐる考えていたら、手に力が入ってしまい、ボキィッ!と、シャー芯を折る音が部屋に響く。


