剣城くんは押し強い


それから、首筋、喉、鎖骨とキスの雨が降ってくる。

体のどこかに口づけを受ける度にぞくり、と反応してしまい、


「…んっ」


喉の奥から出したこともない甘ったるい声が漏れ、次第に全身が熱を帯びていく。

唇を少し離した時に彼の吐息が肌にかかって、くすぐったい。


「やっ…つるぎく……」


するりと、服の中に剣城くんの手が滑り込んでくる。


「風呂上がりだから、体熱いね」


伏し目がちに言った剣城くんは、ゆっくりと直に腰を撫でる。

その瞬間、お腹の辺りがきゅうっと甘く疼いたような気がして。


「っ…んっ、やっ……」

「うそつき。盾石、やだって顔してない」


優しく手を絡み取る彼と目が合う。

恥ずかしいあまりに涙で視界が滲み始めた。



「もっとって…気持ち良いって顔、してる」

「んっ…!」



剣城くんのもう片方の手が腰からお腹へと這い上がっていって、とうとう胸元辺りに到達しようとしたその時───。



「……乳繰り合ってるとこ申し訳ないんだけどさ〜」

「!?」



感情のこもっていない声で、虚無の表情を浮かべる柚希が腕を組みながら私たちを見ている。