「金曜日の次は土曜日じゃん?」

「うん」

「休日で学校ないじゃん?」

「うん。それがどうしたの?」


柚希はニマァッと口角を上げ、ガッツポーズを決める。


「あやとと話したんだけど〜、今日タコパしてお泊まり会しようぜってことになってんだ〜!」


イェーイ!と、拍手をする2人に私は、あんぐり、顎が外れそうになるくらい口が開いた。

お、お泊まり会、だって…!?


「……なんでやねん」


お泊まり会というワードに頭を抱えそうになったが、肝心のたこ焼き器について聞けていない。

剣城くんが突然、目の前に現れたものだから、驚いたと同時に一瞬で忘れ去ってしまったのだ。


「…さっき"タコパ"って言ってたけど、それするためにリビングのテーブルにたこ焼き器置いてたの?」

「おう!材料もスーパー寄って揃えた!」

「わざわざ作らなくても、お店ので買った方が断然美味しいのに…」

「うるせーなー!オレの憧れだったんだからごちゃごちゃ言うなっつーの!」


ジト目で柚希を見た後、その向かいにいる剣城くんに視線を移す。


「剣城くんも何か言いなよ!なんか、柚希が勝手に決めてるみたいになってるし!迷惑なら断ってもいいんだからね!」