剣城くんは押し強い



やだやだやだ!!弱点知られた!!

私が耳弱いってこと知られた!最悪っ!!!


「よし、じゃあ帰ろっか」

「へっ…」


ケロッとした様子で立ち上がる剣城くんにぽかんと口を開ける。


「家まで送る」

「…へぁっ、う、うん……」


切り替えの早さに呆気にとられつつ、慌てて剣城くんの後を追った。


「…!」


部屋を出て剣城くんの後ろ姿を見つめながら歩いていると、彼の耳がほんのり赤くなっているような気がした。

本人はいつも通りの雰囲気なのに、耳だけ赤いのはどうしてだろう。

そう疑問に感じたが、私はそのまま知らないふりをした。