剣城くんは押し強い



「ゆずちゃん聞いてる?」

「〜〜っ…キ、キイテル……」

「じゃあ、もう一回言うね」

「…は──」

「好きだよ」


ドスッ、ドスッ!


2HIT!


またもや私の防御は効かず、剣城くんが剣を突き刺してくる。


ひいいいいっ!!!

両手は縛られていて、顔を隠すことができず、俯くしか手段がない。



「なあ、盾石。俺さ…」

「や、やめっ…」

「好きすぎておかしくなりそう」



ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスッ!!!


10HIT!


剣を片手に剣城くんが笑顔で私の盾を貫き、思いきり突き刺してくるものだから、HPはほぼ0だった。

沸騰しそうなくらい体が熱くてクラクラしてしまいそうだ。

更には、恥ずかしいあまりに目に涙が浮かんできて、精一杯剣城くんを睨みつける。

だがしかし、剣城くんには全く効果がない。


「…ってか、俺に縛られてる盾石めっちゃいいな。この顔でこの状態はすっげーそそる」

「はっ…」


体育祭の時みたいに顔に影が落ちていて、今度は余裕そうに微笑んでいる。

たまらないと言ったような、恍惚とした表情で見下ろす彼に思わず身震いをしてしまった。