剣城くんは押し強い






「なー、盾石聞いてる?」

「…き、きいてる……」

「絶対聞いてねーだろ」

「き、聞いてる!聞いてるから!耳元で話さないで!!」


放課後。

HRが終わった後、いきなり剣城くんに連行され、いつぞやの国語準備室に押し込まれた。

そして現在、ソファの所へと手を引かれ、私は剣城くんによってぎゅーっと、これでもかと言うぐらい抱きしめられていた。


「俺さー、盾石と隣の席になれてすっげー浮かれてる」

「名簿になるといつも前後になりますけどね!!」

「名簿順だと盾石の後ろ姿しか見れないじゃん」

「知らんがな!!!」

「でも隣だとさ〜…」






「盾石の横顔ずっと眺められる」



顔を近づけて耳元で囁かれ、反射的に体がビクッと飛び跳ねてしまう。

じわじわ全身が熱を帯びていくのがわかる。


「…っ、だか、ら…耳元で、喋らないで……」

「噛み跡、すっかり消えちゃったな」

「…っ!」


長い指が私の首筋をつーっ…となぞっていく。


体育祭の時、突然剣城くんに首筋を噛みつかれ、その次の日から噛み跡を隠すのに必死だった。

それからおよそ1週間くらいで消えてくれたけど…。