「ももちゃんの席、私の前だ!!」


やったー!と万歳をした後、軽い足取りで自分の席に戻った。


嬉しいな〜!
ももちゃんとまた席が近くて、しかも1番後ろの窓側!


「全員くじ引いたら移動しろ〜」

「「「うぇーい!!」」」


クラスメイトや私も含めて新しい席に移動する。


「ももちゃん!先生に当てられたら助けてね!?」

「めっちゃ必死じゃん」

「…沈黙の中、教室に響き渡る音量で名前を呼ばれて答えられるまで先生と会話をしなくちゃいけないなんて、地獄だよ。公開処刑だよ……」

「授業中当てられることに何かトラウマでもあんの?」


早速新しい席で前に座るももちゃんと話していると───…。


「えっ!隣、盾石!?」

「あっ、矛杉(ほこすぎ)くん」


剣城くんとよく一緒にいる矛杉くんが目をまん丸にして私を見ていた。


「えー、マジか。えー…まずいなこれは……」


苦虫を噛み潰したような顔で顎に手を添えながら考え込む矛杉くん。


「ほ、矛杉くん、そんなに私の隣が嫌なんだね……」