「なっ、ひどいよ剣城くん!私のこと『声が大きい女』だと思ってたの!?」
「盾石よく大声出してるじゃん」
「いや、それは剣城くんが色々ちょっかいかけてくるからじゃん!!」
「はいはい、あんま大きい声出すと倒れるよ?」
「はあぁぁっ!!??」
剣城くんの広い背中にゴスッと拳を入れてやったが、全くびくともしなかった。
「先生、盾石さん顔赤いので看てあげてください」
クラスのテントではなく、何故か救護テントに連れてこられていて「えっ…?」と間抜けな声を出す。
「あらあら、ほんと顔赤いわね。立ちくらみはする?体に力ちゃんと入ってる?」
「えっ、あ、はい。さっき走ってたので大丈夫です…」
言われてみれば、若干頭がクラクラするような気が……。
養護教諭の先生はぴとっと私の頬に手を当てて。
「うん、軽い熱中症ね。保健室に冷房つけてあるから涼みに行きましょうか」
「あっ、はい───」
「先生〜!膝小僧に擦り傷作った〜!!」
先生が立ち上がった時、他の生徒が膝から流れ出ている血を見せながらやって来る。


