剣城くんは押し強い


私のペースに合わせてくれているようだが、それでも剣城くんは猛スピードで走るため、必死についていくので精一杯だった。


ひいいいいっ!!
恥ずかしいぃぃぃぃぃっ!!


『ゴォォォル!!おめでとうございまーす!!』


なんとか無事にゴールし、マイクを持った体育委員の所へと向かう。


『1番乗りでしたねー。お題確認しまーす』


体育委員の人は、お題が書かれた紙を剣城くんから受け取り、「なになに〜?」と目を通した。

何が書かれているのか内心ドキドキしながら待つ。


『えーっと、お題は【声が大きい女の子】です!この子で間違いありませんか?』

「はっ…」

「はい、大丈夫です」


…はあ??


ぽかんと口を開けている私を見て、遠くの方からどっと笑いが沸き起こった。


『お疲れ様でしたー。もう戻っていっすよ〜』

「ありがとうございます」


剣城くんは体育委員の人に軽く会釈して、私の手を握ったまま歩き出す。