だあぁぁっ!!やだやだやだ!!!
むりむりむりむり!!
なんで今思い出すの!!
「ゆずな早く準備しろよ〜。今日は久々に兄ちゃんと一緒に学校行こうぜ☆」
1人布団の中、顔を真っ赤にしているのを手で覆い隠していると、再度背中に重みを感じた。
「…っ、お母さんのお腹から先に出てきたのは私だもん!!」
「双子なんだからどっちが上とか関係なくね?」
うりうりと布団越しから頭を撫でくりまわしてくる柚希。
体育祭当日で張り切っているのか、いつにも増してテンションがめちゃくちゃうざい。
朝からギャーギャー騒いでいると、柚希が「あっ!」と声を出して私の勉強机の方に視線を移す。
「押し花じゃん、懐かしい〜!ゆずなまだ大切に持ってたんだな〜」
柚希が四葉のクローバーで押し花を作ったしおりをこちらに見せてきた。
だが、そのしおりは私が作った物ではない。
確か、昔誰かから貰ったような気がするのだけど、それがいつ・どこで・誰に貰ったのか、中々思い出せないでいた。