剣城くんは押し強い


つ、剣城くんの締める攻撃(抱擁)!!▼

▶︎殴る
 暴れる
 押し返す

"押し返す"を選択したが、身動きが全くとれない。


「はなして〜〜〜〜っ!!!!」


当店では、お触り禁止となっております!!!


「あー…盾石、すっごい抱き心地いいね。イライラとか、ストレスとか全部吹っ飛んでく…」


ひいいいいっ!!?


剣城くんは私の肩に顔を埋めて。


「スゥーッ…」

「ぎゃーっ!?吸わないで!嗅がないで!」


心臓はとてつもない速さで動いていて、爆発寸前。

更にはお互いの体が密着して、顔はよく熟れたトマトのように真っ赤っ赤。







「…好きだなあ……」

「っ…」


ぽつり、剣城くんは呟いた。

どんな表情をしているのかはわからないけれど、少し切なげで掠れた声が私の鼓膜を震わせる。


腰に回された腕がぎゅっと強くなった。


…っ、やだよ、やめてよ。

『好き』なんて言わないでよ。

私は単純で馬鹿だから。
慣れてないから。

その2文字を言われただけでも恥ずかしくて勘違いしてしまう。

きっと、剣城くんだって、いつかは私に飽きて他の子の所にいくんでしょ。

どうせ『やっぱ好きじゃなかったかも』なんて言って、何事もなかったかのように笑うんでしょ。