「もう一度プロポーズするから、今は彼氏として、ずっと好きでいてほしい」

「…っ、うん」

「頑張って、大人になるから…」

「私も、剣城くんと一緒に大人になりたい…」

「……あっ。そう、だよな…」


かっこよく決めたかったのであろう、剣城くんは、頬を赤く染めて、目を伏せた。

初めて告白してくれた時は、あんなに飄々とした態度だったのに、今は恥ずかしそうに紅潮している姿がとても愛おしく思えてしまう。


「…私、かっこいい剣城くんも、かっこ悪い剣城くんも全部大好きだよ」

「〜〜っ、あー、もうかわいい。好きすぎるし、かわいすぎるし、どうしよう。やばい、めっちゃかわいい、好き、大好き」

「うぉえっ、どどどどうしたの、急に。めちゃくちゃ早口で喋るじゃん…」

「……」


剣城くんは、悔しそうにズイッと顔を近づける。

そして、そっと私の唇にキスをした。


「「……」」


お互いの視線が交わり、もう一度唇を重ねる。


「もっとしたいんだけど……いい?」

「…はっ!?今はだめ!絶対だめ──…ひいぃっ!?押しが強い!物理で押しが強い!!」


ぐっと体重をかけてくるようにして押してくるため、精一杯の力で抵抗する。