剣城くんは押し強い



「…あっ!!私、槍田くんの告白を断ってる途中でね、ちょうど剣城くんのこと思い出してさ〜。剣城くんのこと想いながら喋ってたらなんか、恥ずかしくなってきちゃって……その、思い出し照れ……みたいな……」


自ら気恥ずかしい情報を暴露していることに気付き、次第に語尾が小さくなっていく。

剣城くんは、何度か瞬きをする。


「えっと、ごめん。ちょっとわかんない…」

「へっ!?いや、だから、あの…剣城くん、『気持ち伝えられた?』って、聞いてきたでしょ?私は『伝えられた』って答えたけど、剣城くんのことを考えながら振ったから、なんか、照れくさくなってきて……」


そういえば、当時の剣城くんの反応がものすごく暗いなあ…とか、少し様子が変だなぁ…とは思っていたが…。


「…じゃあ、あの赤面は槍田くんと付き合うことになったっていう意味じゃなくて、逆に俺が関係してた……ってこと…?」

「そう言ってるじゃん」


またもや、驚きを隠せない剣城くんは、「本当に言ってる?」と弱々しい声を出した。


その後、私たちは、これまでの経緯を話し合った。