「『私が想う相手は槍田くん』って何?剣城くん、今の状況ちゃんと理解してる?もし、私が槍田くんを選んでいたら、わざわざステージに立って剣城くんに告白してないよ!?…ってゆーか!私、槍田くんの告白断ったから!!」
「そんなのわかってるよ。でも、俺は盾石の好きな人は槍田くんだって思ってたから、あの時、『自分の気持ち伝えられた?』って聞いたんだよ。その時点でもう、俺は盾石に振られるんだ…って自覚して……」
「待って待って!振られる要素どこにあったの!?」
「盾石が顔を赤くして、槍田くんに気持ち伝えたって言ってた辺り……」
「はいぃぃぃっ??」
そんなことがあっただろうか…と疑問に思いつつ、何とか頭を働かせて、槍田くんとの出来事を振り返る。
──『ちゃんと話せた?』
──『自分の気持ち伝えられた?』
少し元気のない剣城くんが脳裏に再生された。
私、この時、何て言ったんだっけ…。
確か、槍田くんに『好きな人がいる』って言っていた最中に、剣城くんの姿が思い浮かんできて、それで…。


