──『好きだよ、剣城くん』


…よし、決まった。

またしても、かっこよく(?)決めてしまった…!

剣城くん、さっきから何も喋ってくれないけど、ちゃんと聞いてくれているだろうか。

『えっ、何て?もう一回』とか、言われたらどうしよう。


心配になってきて、恐る恐る剣城くんの反応を窺う。

その刹那、剣城くんの目尻から一滴のしずくがこぼれ、頬を伝った。


「……えっ!?つ、剣城く──…」


思わずギョッとする。

人を泣かせたのなんて、いつぶりだろう。

小学校低学年……いや、保育園以来かもしれない。


「つるぎくん、その…っ、えっと……」


私は、泣いている人の対応に慣れていない。

むしろ、励ますというより、励まされる側の人間であることが多いため、こういう時、一体どんな言葉を掛ければいいのかわからない。

ももちゃんなら、優しいことを言ってくれそうだが……。


「……とりあえず、一旦座ろっか!!」


剣城くんの手を引っ張って、中央に置かれているソファーへと連れて行く。