久しぶりに会えたことで、今まで何をしていたのか、話していた時、
『柚希、何してんの。早く帰ろ』
目の前に盾石が現れた。
『おー、ゆずな』
思わず息を呑んだ。
いつか、会えたらいいな…とは思っていたけど。
まさか、同じ高校で、突然現れるのは想定外だった。
『ゆずな、クラスどうだった?』
『ん?特に何も…。ももちゃんと同じクラスだったから、とりあえず1年間は安心して過ごせる…!』
『わははっ、よかったなー!』
盾石は、俺に見られていることなんて、一切気付かずに、『ほら、お父さん待たせてるんだから、行くよ』と言って、教室を出ようとする。
『わかってるって!…えっと、あやと、じゃあな!これからよろしくなー!』
柚希は、『まてよ、ゆずなー!』と盾石の制服の袖を引っ張りながら後をついて行く。
『柚希、もう新しい友達できたの?』
『えっ?いやっ……まあ、うん…』
『そっか、よかったね!』
『……うん』
2人がそんなことを話しているとは知らずに、月日はあっという間に経ち、高校2年生の春。