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『あやくん、いつになったらゆずのことすきになってくれるの〜?』
『…は?』
ゆずなにプロポーズ(?)をされて以降、毎日彼女からの押し強い攻撃が始まった。
顔を合わせては、『あやくん、おはよう。すき〜』とか、『あやくん、きょうもかっこよくてすき〜』とかとか。
何度も何度も"好き"だと伝えてくれた。
『あやくん、まだゆずちゃんのことすきじゃないの〜?』
ゆずきが飽々とした態度で話に入ってくる。
『…だから、なんかいもいってんだろ。おれはべつにすきじゃないんだよ……』
『あやくん、ゆずとけっこんしよー』
『はなしきけよ!』
くそっ。何でこんな押しが強いんだよ…。
しかもこいつ、なんか可愛いから、余計困る。
『…ゆず、なんでおれとけっこんしたいの?』
頬を紅潮させながらそう聞くと、ゆずなは、ぱちくり、瞬きをする。
『チョコレートくれた!』
『けんかしたつぎのひにおれのことすきになったってか!?おまえ、あたまおかしーな!?』
お菓子をあげただけで好きになるなんて、どんだけ単純なやつなんだ。
あまりにもチョロすぎて、逆に心配になってきた…。


