剣城くんは押し強い


次の日、完成した押し花をゆずなにあげると、目を輝かせて喜んでくれた。

予想通りの反応で、俺は満更でもなかった。


『あやくんありがとう!ゆず、これ たからものにする!』

『ま、まあ、おれさいきょーだから(?)、こんなのよゆーだし…』


そんな俺たちのやりとりを見ていたクラスメイトたちが『ひゅーひゅー!』、『らぶらぶー!』と茶化してきた。


『おい、ゆずな!おまえこんなおんなみてーなかおしたやつのことすきなのかよ〜?』

『ぷぷーっ!へんなのー!』


カチンときた俺は、ガン飛ばすようにそいつらを睨みつける。


『…おい、いまなんて──…』

『うん。ゆず、あやくんすきだよ』

『ほら、ゆずもこういって──…って、はっ!?』


予想外の返事をするゆずなに、目が飛び出そうなくらい、驚いた声を上げる。


『…えっ、じゃあ、ゆずな、こいつのことすきってことは、おまえ……つるぎとけっこんすんの?』

『うん、する』

『はあっ!!??』


何言ってんだこの女…!!

自分の言ってることわかってんのか!?


『なーんだ、りあじゅーかよ。つまんねー』

『もうあっちいこうぜー』


ケッ…と、面白くないと言った表情で去って行くクラスメイト。