『単刀直入に言うから、よく聞いててね』


驚いた表情をする剣城くんの目を見て、こう言った───。



『私、剣城くんが好きなので、付き合ってもらっていいですか』



マイクを司会者に押しつけて、ステージを降りる。

道を開けてくれる人たちの間を堂々とした態度で剣城くんの元へと歩いていき、彼の目の前で立ち止まった。


「……盾石、なに、して……」


驚きを隠せない剣城くんを見上げて、フッと笑みをこぼす。


「行こう、剣城くん」


好きな人の手を取って、再び歩き出す。


私たちがこの場から去って行く中、


「キャーッ!!」

「かっけーぞ、盾石!!」

「よく言った!!」


黄色い歓声や騒ぎ出す生徒たちの声で、会場は大いに盛り上がっていた。