剣城くんは押し強い


後ろの方から柚希の声がして、そのまま振り向くと、

「盾石弟……と、槍田とその他じゃん」

「やめろ、その他でくくりつけんな」

頭から血を被ったようなメイクをしている柚希と、その隣には、槍田くんたちの姿があった。


「えっと、盾石と弓地、久しぶり。…あっ、盾石はこの間ぶり?」

「…そう、だね……」


槍田くんと会うのは、彼からの告白を断った日以来で、連絡も取っていないし、会ってもいない。

最近のことなのに、どこか懐かしく感じてしまう。


「今、槍田たちをお化け屋敷に連れ込んでる最中なんだよ。おまえらも来る?」

「槍田はともかく、他の奴らがうるさそうだし、一緒には行きたくないかな」

「…はあん?何だと弓地コラッ」


ももちゃんと中学時代の同級生たちの言い合いを見守っていると、槍田くんが「盾石、あれからどう?」と小声で聞いてきた。

私は、「んー…上手くいってない、かな……」と、苦笑いを浮かべて答える。

私の表情を見て、槍田くんは「そっか…」と返事をする。