「何だよ、いいじゃんかよ!こういうノリやってみたかったんだよ…!!」
恥ずかしそうに言う彼に、今度はどっと笑いが沸き起こった。
「柚奈」
とんとんっ、とももちゃんが私の肩を叩く。
「剣城と校内、一緒に回れるかどうか誘ってみたら?」
「う、うん…。でも、ちょっと自信ない……」
今のところ、剣城くんに避けられているから、私の話を聞いてくれるのかどうかもわからない。
「いつもは剣城の方から来てくれてたんでしょ?だったら、今度は柚奈の番じゃないの?」
「そう、なんだけどさぁ……」
「大丈夫だって、頑張りなよ」
「ゔぅっ……」
涙が出そうになるのを無理やり引っ込める。
そんなこんなで、ももちゃんから励ましの言葉をもらいながら、いよいよ、文化祭が幕を開けようとしていた───。